弁護士に相談・依頼する場合の準備
目次
基本的な準備項目
関係する書類を整理しておく
弁護士に法律相談する日程が決まったら、相談時に持参するものを準備します。役所や弁護士会での法律相談会では、事前にアポを取るのは難しいかもしれませんが、相談する弁護士が決まっていて弁護士事務所を訪問して相談する場合は、予め弁護士に必要な書類等を確認しておいた方が良いでしょう。相手方と争いの原因となっている事柄の証拠となる契約書の他、交渉過程で取り交わしたり受領した書類及び交渉経過を記録している場合はその記録も準備します。メモ書き程度でも構いません。
以上の書類は全て種類毎、時系列に分かり易くファイリングし各項目にインデックスを付けて弁護士に提示出来るようにしておきましょう。必要かどうかわからない書類もとりあえずファイルする様に心掛けてください。証拠としての価値を素人判断せずに、プロである弁護士に判断してもらい、また、書類を確認してもらうことによって難しい口頭での説明も省略することが出来るメリットもあります。口伝での説明は、誤解が生じやすく上手く伝わらないというデメリットも解消されます。
なお、ファイル一式を弁護士に預けたために手元に資料が一切なくなることを避けるために、ファイリングした資料を必要に応じてコピーし手元に保存しておくことをお勧めいたします。
質問事項等のメモの作成
相談内容にも寄りますが、一般的に無料法律相談は30分(長くて60分)が限度になっています。限られた時間の中で相談内容を説明し、書類の確認を行い、アドバイスを受けるのは相当厳しくなります。そのため、中途半端のままで適格なアドバイスも貰えなかったということもあり得ますので、聞きたいことを予めメモ程度に纏めて行かれることをお勧めいたします。
また、可能ならばトラブルの相手方の情報、トラブルの内容及び着地点(相手方に譲れる妥協可能な範囲)もメモして持っていくと説明の時間が短縮されます。但し、トラブルの内容が難しく十分に理解していない様な状況で、且つ自分で解決が困難であるために弁護士に相談しているのであれば必要ありません。
補完的に準備したい項目
基本的予備知識の把握
時間的・心理的な余裕があれば、書籍やネットで関連する事案の解決策について調べたり、弁護士費用の大まかな金額を調べて把握しておきましょう。そうすることで、相談時における弁護士の説明を理解し易くなりますし、細かい質問の必要性が無くなりますので無駄な時間の削減になります。弁護士費用についても、何の知識もなく概算を聞くと「そんなものなのかな。」で終わってしまいますが、少しでも把握していれば、聞きなれない費用の項目について内容を確認したり、必要性を問うこともできます。
必要書類の取得
相談する事案によって、特別な書類が必要になってくる場合があります。例えば、交通事故に関する事案の場合は「交通事故証明書」、離婚の場合は「戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)」、相続や不動産に関する場合は「登記事項証明書(不動産登記簿謄本)」が必要な場合がありますし、法人が相手の場合は「商業登記事項証明書(商業登記簿謄本)」が必要です。これらの書類は物件を特定したり、商業登記事項証明書の場合は、提訴する場合の添付書類として必要な他、通知文書を発送する際の相手方として代表者を特定するために必要です。
なお、これらの書類のほとんどは提訴する場合の添付書類としては、発行から3ヶ月以内であるので早めにとる必要は無く、必ず取得すべき書類でもありません。但し、弁護士に相談する段階では必要性は低いですが、法律事務を正式に依頼する際は必要であり、弁護士事務所が取得する際の費用は2倍以上になる場合があります。