貧困ビジネス
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「貧困ビジネス」とは、経済的に困窮している人々の弱い立場につけ込み、彼らを対象に不当な利益を上げるようなビジネスの形態を指します。たとえば、生活保護を受けようとする者の手続きの代行を装って通帳を預かり振込まれた生活保護費を中抜きして残額を受給者に渡したり、大家と結託して劣悪な環境の簡易宿泊所を法外な価格で提供したり、返済能力が極めて低い人々に年金を担保に高金利で金を貸し付けて借金地獄に陥れたりするような行為がこれに該当します。
また、就労支援や福祉サービスを装いながら、実際には低賃金での労働を強いたり、公的資金を不正に受給して利益を得たりするケースも見られます。こうしたビジネスは、貧困から抜け出そうとする人々をさらに追い詰め、社会的な格差や排除を深刻化させる原因となります。そのため、行政による監視体制の強化や制度の見直し、福祉サービスの透明性確保、さらに弁護士や支援団体による相談・救済体制の整備などが必要とされています。貧困ビジネスは単なる経済的搾取にとどまらず、社会全体の倫理や制度の在り方を問う深刻な問題なのです。
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