破産

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破産とは、債務者が経済的に支払い不能な状態に陥った場合に、裁判所を通じて財産を整理し、債務を免除してもらう制度です。その趣旨は、債務者が過度な負担から解放され、生活の再建を図ることを支援する点にあります。また、債権者に対して公平に財産を分配することで、経済的損失の最小化を図ることも目的の一つです。

破産手続きは、債務者が自ら申し立てる自己破産と、債権者が申し立てる場合の破産の二種類があります。破産の本来の形としては、支払いを履行しない債務者の財産を処分して平等に分配する手段であり、債権者が申し立てる破産が歴史的には基本形ですが、現代の法制度では自己破産も重要な役割を果たしており、どちらが本来の破産であるかは制度の目的や社会的な背景によって異なる見解があります。手続きが開始されると、債務者の財産は破産管財人によって管理され、適切な方法で処分と換価が行われます。処分によって得られた金銭は、先取特権を有する者から優先弁済され残余金を一般債権者に債権額に応じて均等に分配されます。分配が完了したり分配する財産が無い場合に、裁判所が免責を認めれば、債務者は借金の返済義務から解放され、生活を立て直すことが可能となります。

この制度は、債務者だけでなく、経済全体の安定にも寄与するものです。過度な負債を抱えた個人や企業が適切に整理されることで、経済活動の停滞を防ぎ、健全な市場環境を維持する役割を果たしています。そのため、破産は単なる債務整理にとどまらず、社会全体の健全な運営を支える重要な仕組みといえるでしょう。

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