受任義務
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司法書士、行政書士、社会保険労務士といった士業には、業務の依頼を受けた際に対応する義務、すなわち「受任義務」が存在します。ただし、この義務は無条件ではなく、関係する法令の規定に従い、一定の要件のもとで成立します。
まず、司法書士の受任義務についてですが、司法書士法に基づき、司法書士は依頼者からの業務依頼に対して誠実に対応することが求められます。しかし、依頼内容が違法または不適切である場合や、業務の遂行が困難な状況にある場合には、受任を断ることが可能です。
行政書士については、行政書士法により行政書士の業務は官公署に提出する書類作成などを行うことが認められています。そのため、依頼者から正当な理由に基づく業務依頼があった場合には、業務を遂行することが求められますが、業務範囲を超える内容であったり、明らかに違法性を含む場合には受任義務が適用されません。
社会保険労務士については、社会保険労務士法に基づき、労働・社会保険関係の手続きなどを代理・支援する業務を担います。依頼者からの適正な業務依頼に対して誠実に対応することが求められますが、例えば専門外の業務依頼や依頼内容に不適切な点がある場合などには、受任を拒否することもできます。
このように、司法書士・行政書士・社会保険労務士に共通するのは、依頼者の正当な要望に対し誠実に対応する責務を負うことですが、一方で法律や業務範囲を逸脱する内容には対応義務が発生しないという点です。それぞれの士業は専門的な知識と倫理観に基づいて業務を遂行することが求められ、受任義務と共に適切な判断が重要となります。
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