裁判員制度

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裁判員制度は、日本において2009年に導入された制度で、国民が刑事裁判に参加する仕組みです。この制度の目的は、司法に国民の常識や感覚を反映させ、より透明で理解しやすい裁判を実現することにあります。対象となるのは、殺人や強盗致死傷といった重大な刑事事件で、裁判官とともに裁判員として選ばれた国民が審理に参加し、有罪・無罪の判断や、刑の重さを決める評議に加わります。

裁判員は、20歳以上(2022年4月からは18歳以上)で選挙権を持つ市民の中から、無作為に選ばれた候補者の中からさらに選定され、1つの事件につき6人が選ばれます。職業や法律の専門知識の有無にかかわらず、一般の市民が参加することで、多様な視点が裁判に取り入れられることが期待されています。

裁判員制度には、国民にとって司法をより身近に感じることができる利点がある一方で、重い責任を伴うことや、精神的負担、仕事との両立の難しさといった課題もあります。それでも、制度開始以来、多くの市民が真剣に取り組み、制度の意義や役割について理解を深めています。このように、裁判員制度は日本の司法に国民の視点を取り入れる重要な仕組みとして機能しています。

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