過失割合

過失割合とは、交通事故などにおいて、当事者双方の過失（不注意や落ち度）の程度に応じて責任の割合を決定する制度であり、損害賠償額の算定に直接影響を与える重要な概念です。この制度は主に自動車事故などの不法行為に関する損害賠償請求において適用され、たとえば双方が注意義務を怠って事故が発生した場合に、それぞれの過失の重さに応じて損害の負担を分担することになります。

具体的には、一方が赤信号を無視して進入したとしても、他方にも安全確認を怠ったなどの過失が認められる場合、裁判所や保険会社は一定の基準や判例をもとに、例えば「7対3」などと過失割合を定め、それに応じて支払われる賠償金が調整されます。この結果、本来の損害額から、自らの過失分に相当する額が減額されることになり、受け取れる賠償金は過失割合によって大きく変動します。

過失割合の判断は、事故の状況、関係者の行動、道路の形状や交通ルールなど多くの要素を踏まえて行われるため、当事者間での主張が対立することも少なくありません。そのため、示談交渉や訴訟において争点となることが多く、事故後の対応や証拠の確保が結果に大きく影響することになります。このように、過失割合は損害賠償の公平な分担を実現するための制度であり、被害者・加害者双方にとって非常に重要な意味を持ちます。