裁判基準額
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裁判基準額とは、交通事故の被害者が賠償金を求めて裁判を起こした場合に、裁判所が一般的に認定する損害額の基準のことであり、もっとも高額な基準として位置づけられています。この基準は、これまでの判例や学説をもとに、被害者の損失を適正に評価する目的で設定されており、治療費、休業損害、慰謝料、後遺障害に対する損害など、各項目について細かく基準額が定められています。裁判基準は、東京地方裁判所の下級審判決をもとにした「赤い本(民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準)」などにまとめられており、弁護士が示談交渉を行う際にも、この基準を用いて適正な賠償額の主張を行います。
一方で、保険会社が事故直後に提示してくる賠償額は、通常「任意保険会社基準」あるいは「事務基準」と呼ばれるものであり、裁判基準よりも低い金額に設定されていることが一般的です。これは、保険会社が独自に定めた社内基準に基づいており、迅速な支払いを優先する一方で、賠償総額の抑制も図るという実務上の意図が反映されています。
そのため、被害者が保険会社の提示額に納得できない場合は、弁護士に依頼して交渉や訴訟を通じ、裁判基準による適正な賠償金の獲得を目指すことが重要です。このように、賠償金の額は基準によって大きく異なるため、基準の違いを理解したうえで適切に対応することが被害者の正当な権利を守るうえで不可欠となります。
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