民主法律協会

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民主法律協会は、日本において労働者や市民の権利を擁護することを目的として活動する法曹団体であり、特に弁護士を中心に構成されています。1950年代に設立されて以来、労働法制の研究や労働事件の支援、また社会的に弱い立場に置かれた人々への法的援助を通じて、民主主義の発展と社会正義の実現に寄与してきました。

同協会は、主に労働基準法や労働組合法といった法制度の改善・発展に力を入れており、立法提言や政策への意見表明を積極的に行っています。また、組合活動や解雇事件、労働条件の不利益変更などの争訟において、労働者側に立った法的支援を行うことで知られています。さらに、一般市民向けに労働法や社会保障制度に関する講座やシンポジウムを開催し、法的知識の普及にも取り組んでいます。

思想的背景としては、戦後日本の「進歩的法曹」運動に源流があり、憲法の理念、特に平和主義や基本的人権の尊重といった価値観を重視する立場に立っています。護憲を明確に掲げ、戦争放棄を定めた憲法第9条の改正には一貫して反対しており、また憲法第25条に基づく生存権の保障を法的実践に結びつけることを重視しています。これらの姿勢は、同じくリベラルな法曹団体である自由法曹団とも共通しており、両団体はしばしば連携して活動しています。

民主法律協会は、日本弁護士連合会のような職能団体とは異なり、特に労働者や社会的弱者の立場に寄り添う視点を鮮明にしており、革新系の労働組合や市民運動とのつながりも深いのが特徴です。法を単なる秩序維持の道具としてではなく、社会的公正と人間の尊厳を実現する手段として捉えるその姿勢は、現代においても高い意義を持ち続けています。

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