弁護士に法的トラブルの解決を依頼した後の注意

弁護士に事件の解決の依頼をした後に注意しなければいけないことや守らなければならない重要なことがいくつかあります。不用意な行動が事件を長引かせたり、あるいは不利な結果を招くことが有りますので十分な注意が必要です。

 

依頼後は弁護士の指示に従う

相手方と独自に交渉はしない

弁護士に依頼した後の注意のイメージ画像弁護士との間に委託契約を交わしたら(弁護士に事案の処理を依頼すること)相手方と勝手に交渉することは弁護士から許可が無い限り絶対に避けなければなりません。あり得ないことですが、弁護士から指示された場合は止むを得ませんが、そうでない限り、相手方から電話等での接触を求められても、「全て弁護士に依頼(委任)してあるので、受任通知に記載してある弁護士に電話してくれ」と、返事をすべきです。一切話をしないくらいの心構えが必要です。

 

相手が電話を切らずに一方的にしゃべっても、確たる返事は控えるべきです。そして、相手が言ったこと、日時、接触の方法及び場所等を細かくメモし、早い時期に弁護士に報告を行ってください。弁護士からの受任通知を受領したら、相手方は事が大きくなったことに焦りを感じ、また本気で勝負してきた、と言うことを感じ取ります。

 

そのため、交渉することに抵抗や不安が有る弁護士と交渉するよりも話し易く、説得し易い、さらに圧力をかけやすい依頼者の方に連絡をしてきます。そこで、毅然とした態度をとらないとズルズルと交渉の場に引きずり込まれます。

 

その結果、弁護士の交渉に支障をきたし、提訴した場合は、依頼者の返答次第では「こういった内容の和解が成立している」と、主張されることもあり得ます。

 

しかし、弁護士から通知が来たために相手方が全面的に折れてきたり、納得のいく和解案を提示してきたら、話を聞いて、「弁護士と相談してみます。」、「弁護士に伝えます。」とか「弁護士から返事させます。」と返事をしてことの詳細を弁護士に報告します。

 

弁護士にはこまめに連絡を取る

別章でも触れたとおり、弁護士によっては進捗が遅かったり、また経過報告を全く(本当に全くです。)してこない弁護士もいます。その時は、弁護士に進捗状況を確認するなり、急いでもらうように弁護士の気を悪くしない程度・方法で依頼してください。タイミングを逃すと結果が悪くなることは大いにあり得ますし、進捗を確認することで、弁護士も動かざるを得なくなります。
上手に弁護士に圧力を掛け動かしてしてください。軽微な問合わせは、メールでも構いませんが、急がせるときなどは電話でやんわり言った方がはるかに効果があります。

 

新しい事実が出てきたら弁護士に報告・相談する

弁護士に依頼した後に証拠となるべき書類等が出てきた場合は、弁護士に電話して必要の有無を確認してください。日本の裁判は、正しい者が勝つのではなく証拠が有るものが勝ちますので、有利な証拠はドンドン出すべきです。必要か否かは弁護士に判断してもらえば良いです。

 

守務義務の徹底

弁護士に事件の解決の依頼をした後に限ったことではありませんが、トラブルの内容や事件の進捗は第三者には話さないように心がけてください。第三者に話すと巡り巡って相手方に伝わる場合があります。また、伝聞される間に内容が誇張され事実と違って伝わることもあります。その場合、新たなトラブルを誘発することも考えられます。