弁護士は任意交渉に応じないのは不得手が原因か作戦なのか?

任意交渉を避けたがる弁護士

弁護士は任意交渉が苦手のイメージ画像弁護士は任意交渉は苦手なのか?

弁護士は、法律のプロで頭の中は六法全書で埋まっていますので、ディベートに強く任意交渉も長けたものだろう、と思いがちですが実際のところは、弁護士は任意交渉で法的トラブルを解決するような動きはほとんど行いません。任意交渉が面倒なのか、あるいは、あたかも任意交渉を避けているような態度です。

 

確実有利な解決を目指す作戦

高校・大学でスバ抜けて成績の良いのに、積極的に会話に入らず浮いているタイプの同級生はいませんでしたか?そんなタイプの人に一寸声の大きい威圧的な人と交渉しろと言っても性格的に無理でしょうし、法律の知識が有ることを盾に槍や刃を防ぐことは出来ませんから避けているのだろうと思いがちですが必ずしもそうとは限らないようです。

 

100%悪くても非を認めず争いを好む反社会的人種やモンスターと呼ばれる徳の欠片もない類の者が多い世の中ですから経過が曖昧になりがちな任意交渉に重きを置くのではなく、確実に結論を導き出すための戦略的・実務的な根拠があるようです。

任意交渉を避ける戦略的・実務的な根拠

法的な確実性を重視する

口頭での交渉や和解を前提とした任意交渉は、不確定要素が多く、依頼者の利益を十分に守れない場合があります。一方、書面で正式に主張を伝えることは、相手に対してプレッシャーを与えるとともに、後の訴訟や強制執行の際に証拠として利用できるようになります。また、相手方にも同様に書面での主張を求めることで要点が明確になるメリットがあります。

 

弁護士は「交渉人」ではなく「代理人」

企業の営業担当や外交官のような交渉のプロフェッショナルは、対話による妥協を通じて合意形成を図る専門家です。しかし、弁護士はあくまで「依頼者の代理人」として、法的に最適な主張を展開し、必要であれば強硬な手段も辞さない立場です。交渉における柔軟性よりも、法的な理論や証拠を重視しすることで、依頼者に不利な妥協をするよりも、法的に有利な結果を得ることを重視する傾向があります。任意交渉では、感情的な側面や駆け引きが関与することが多くなりますので、敢えて代理人としての立場から感情移入することなく有利な結論を得ることができます。

 

依頼者の心理的要因

依頼者の中には、「強い態度で相手に迫ってほしい」「はっきりとした結果を求めたい」と考える傾向もあるため、弁護士もその期待に応えようとします。そのため、交渉では相手の出方によっては長期化し、不確定な結果になることもあるため、訴訟や法的手続きによって早期に決着を図る方が望ましい場合もあります。

 

費用・時間の関係

紛争解決の手段として任意交渉の方が早く解決しそうですが、任意交渉は効率が悪いと考える弁護士も多くいます。交渉を長く続けると、依頼者にとって費用がかさむことになります。書面を送ることで相手にプレッシャーをかけ、交渉を早期に進める戦略をとることもあります。また、交渉が失敗した場合の次のステップ(訴訟)を見据えた準備を早めに進めるため、書面作成を優先することがあります。

 

相手による影響

相手が話し合いに応じない、もしくは感情的で理性的な交渉が難しい場合、任意交渉だけでは埒が明かないことが多いです。特に企業や行政機関が相手の場合、文書や訴訟を通じた正式な手続きでないと動かないこともあります。

 

稀に任意交渉を得意とする猛者弁護士

なお、弁護士の中には、怒鳴り込んできた反社会勢力の人間に「あまり訳の分らんこと言うと、国選であっても今後弁護はしないぞ!」と言って追い返した弁護士がいました。(断定的に書きましたが、その弁護士に直接聞いていますが「・・・と言って追い返したそうです」が正確なのでしょうが?!)
また、大阪には、一人で舎弟企業に乗り込み話を付けてきた豪傑弁護士がいましたが、こんな弁護士は極めて稀で例外中の例外です。しかも、このK弁護士の弁護士費用は当時としては破格の費用でした。